ビオトープ管理士は(財)日本生態系協会により認定される資格で、自然生態系の保護や復元、創出に必要な知識と技術を備えた環境分野の専門家です。この資格が誕生したのは平成9年のことで、ビオトープ活動に携る技術者の育成と質の向上、そして地球の生態系の保護・創生を目的にしています。
自然環境や動物の保護といった活動を仕事にしたい方にはピッタリの資格で、環境問題が身近な問題となっている今、注目度は年々高まっています。
ちなみに「ビオトープ」の語源はドイツ語で、「地域の野生生物が生きていく空間」という意味があります。最近では「庭や公園の一角に土木工事をして池を作り、昆虫などを呼び寄せる」といった活動がビオトープの一環として認知されていますが、本来は生き物が住むすべての空間を指す言葉。色々な生物がお互いに関わり合いながら暮らしている場所、森林も河川も干潟も草原も砂漠もすべてビオトープなのです。
ビオトープ管理士の仕事は、こうした生き物達の生活空間を守り、再生し、創り出してしていくこと。そして、良好な生態系の維持管理にあります。見た目の美しさや人の管理しやすさだけで生物を選んだりせず、その地域の気候や地形を調査し、もともといた野生生物などの生態調査もしていかなければいけません。
その活動フィールドは、学校、農村、道路、河川、森林、建築物、公園、家庭ととても幅広くなっています。
ビオトープ管理士はその専門性の高さから、造園、建設・土木、環境コンサルタント、企業の環境セクション、行政、教育、自然再生、環境ボランティアなど様々な方面で活躍しています。
近年では、環境事業を担う環境省・国土交通省等の中央省庁や地方自治体でも、ビオトープ管理資格取得者を積極的に取り入れるケースが増えてきました。
具体的なところでは、入札や仕様書上での条件や、入札参加資格審査の評価のポイントに「2級ビオトープ管理士を擁すること」などの指定も増えてきているそうです。また、施設や団体の職員採用条件として挙げている公益法人も増えているとのこと。
一方、民間でも採用条件に加えたり、社会貢献活動の実務者育成のために活用されるケースも増えています。また個人で活躍されている方が、講演、子どもたちへの環境教育、書籍やコラムの執筆など、培った経験と知識を多方面で活かすケースも増えてきました。
とはいうものの、ビオトープ管理士資格を取得したからといって、すぐに就職や仕事が保証されるわけではありません。しかし将来的には、自然環境への意識はあらゆる分野で求められていくはずで、ビオトープ管理士に対する今後の期待と要請はどんどん高まりつつあります。将来の可能性は大きいといえるでしょう。